別れ際の最後の一言で、相手の中のあなたが決まる|復縁に残す言い方
別れ話の最後に何を言うか。その一言が、あとから思い出されるあなたの姿になります。言ってよい一言の例も示します。
別れ話の場で、最後に何を言ったか覚えていますか。これから別れ話がある人は、最後に何を言うか決めていますか。私は、別れ際の最後の一言を、とても重く見ています。相手があとであなたを思い出すとき、真っ先に浮かぶのがその一言だからです。そこで相手の中のあなたが、「まだ好きな側」に残るか、「生理的に無理な側」へ移るかが決まります。

人は、終わりの瞬間で振り返る
心理学者のカーネマンらは、1993年に次のような実験をしています。参加者は、片手を14度の冷たい水に60秒つけました。もう片方の手では、同じ14度に60秒つけたあと、さらに30秒つけたまま、水温を少しずつ15度まで上げていきました。つらさは続くものの、最後は少しやわらぎます。あとで「どちらをもう一度やるか」と聞くと、多くの人が、つらい時間の長いほうを選びました。
研究チームは、人が過ぎたつらい出来事を振り返るとき、長さはあまり影響せず、いちばんつらかった瞬間と、終わりの瞬間の感じ方に大きく左右されると書いています。同じ年のフレドリクソンとカーネマンの研究でも、映像を見たあとの振り返りの評価は、見ていた時間の長さにあまり左右されませんでした。
この実験は、冷たい水や映像についてのものです。別れ話を調べたものではありません。ただ、私は相談を受けるたびに、同じことが起きていると感じます。何年付き合ったかより、別れ話のいちばんつらかった場面と、最後の一言のほうが、相手の中に残っているんです。
何年一緒にいたか。振り返りには、思うほど響かない。
あとで思い出すあなたの姿になる。最後の一言は、あなたが選べる。
最後の一言で、あなたの置き場所が変わる
別れ話のいちばんつらい場面は、もう変えられないかもしれません。でも、最後の一言は、あなたが選べます。
相談でよく見る、言ってはいけない最後の一言はこうです。
| 最後の一言 | 相手にはこう聞こえる |
|---|---|
| 「俺みたいなやつは、もう見つからないよ」 | 最後まで自分の話をする人 |
| 「ずっと待ってるから」 | 待たせているという重さを、相手に背負わせる |
| 「最後に一回だけ会って」 | まだ終わっていない、という合図 |
| 「勝手にしろ」 | やっぱりこういう人だった、の確認 |
どれも、言ったあなたの側では本心かもしれません。でも、相手には「この人とは、もう関わりたくない」の理由として残ります。つまり、生理的に無理な側へ自分から一歩進む一言です。
言ってよい一言の例
言ってよい一言には、共通点があります。短いこと。相手に何も求めないこと。先の約束を入れないこと。相手を責めないこと。
- 「話してくれてありがとう。分かった」
- 「言いにくいことを言わせて、ごめん」
- 「今まで一緒にいてくれてありがとう。体に気をつけて」
- 「元気でね」
二つ目の「言わせて、ごめん」は、別れを告げる側のつらさを受け止める一言です。告げる側は、相手を傷つける役を引き受けています。その役をねぎらわれると、相手の中のあなたは「最後まで落ち着いていた人」になります。
ママのひとこと 結城君、うちの店の女の子たちはね、別れ際に「ありがとう」って言われた人のことは、何年たっても悪く言わないのよ。逆に、最後の捨てぜりふは、何年たっても一字一句覚えてるの。
長い言葉は要りません。最後の一言が短いほど、相手の中には「この人は大丈夫な人だった」という印象が残ります。それが、あとから道筋をつくるときの土台になります。
- 最後まで自分の話をする
- 待つと告げて重さを背負わせる
- もう一度会うことを求める
- 相手を責める
- 短い
- 相手に何も求めない
- 先の約束を入れない
- 相手を責めない
この記事でやること
上の四つの例から、あなたの言葉として口にできる一言を一つ選び、声に出して言ってみてください。言いにくければ、自分の言い方に少し直してかまいません。短く、何も求めない一言が自分の口から出せたら、あなたは落ち着いた人の側に一歩近づいています。
あなたが別れ際に言った一言と、相手が言った一言を送ってください。あなたの状況での次の一歩は、相談窓口で一緒に決めます。
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出典
- Kahneman, D., Fredrickson, B. L., Schreiber, C. A., & Redelmeier, D. A.(1993)「When more pain is preferred to less: Adding a better end」Psychological Science, 4(6), 401-405 https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.1993.tb00589.x
- Fredrickson, B. L., & Kahneman, D.(1993)「Duration neglect in retrospective evaluations of affective episodes」Journal of Personality and Social Psychology, 65(1), 45-55 https://doi.org/10.1037/0022-3514.65.1.45