復縁ルート

別れた直後の初動のミスは、なぜ復縁で取り返せないのか

別れて最初の数日にしたことが、あとからどれだけ丁寧にしても消えにくい理由を、記憶の研究から説明します。

「最初は取り乱して何通も送ってしまいました。でも、今はもう落ち着いています。今から丁寧に謝れば、分かってもらえますよね」。相談で、本当によく届く言葉です。

はっきり言います。厳しいです。別れて最初の数日にしたことは、あとからどれだけ丁寧にしても、相手の中から消えにくいんです。ここでは、その理由を話します。そのうえで、今日からできることも書きます。

午後の明るい台所で、うつむいてテーブルに座る男性

嫌な出来事は、良い出来事より強く残る

心理学者の Baumeister らは、2001年の論文で、良い出来事と悪い出来事のどちらが人に強く影響するかを、さまざまな分野の研究から調べました。日常の出来事、親しい関係、人の印象、学習。どの分野でも、悪い出来事のほうが影響は大きいという結果がそろっていました。

この論文には、復縁にそのまま関わる一文があります。悪い印象は良い印象より早くでき、あとから違う情報が来ても覆りにくい、というものです。

別れた直後の連投は、相手の中にあなたの「悪い印象」をつくります。そのあと何ヶ月かたって届いた丁寧な一通は、悪い印象を消すのではなく、悪い印象の上で読まれます。

怖さの記憶は、薄れても消えない

もう一つ知っておいてほしいのが、怖さの記憶の性質です。

学習の研究者 Bouton(2004年)は、条件づけで学んだ反応(怖さの反応もその一つです)を弱めていく「消去」という過程について、行動の研究をまとめました。分かってきたのは、消去は元の学習を壊すのではなく、その上に新しい学習を重ねるものだ、ということです。しかも、その新しい学習は、場面によって効いたり効かなかったりしやすいとされています。

Baumeister らの論文も、怖さの反応がいったん消えたように見えても、脳にはその変化が残っているという研究を紹介しています。

これを相手の側に置き換えると、こうなります。時間がたって、相手はあなたのことを怖がらなくなったように見える。でもそれは、怖さが消えたのではなく、「もう大丈夫」という記憶が上に重なっただけかもしれない。そこにあなたから通知が届くと、最初の数日の記憶が戻ってくるんですよ。

怖さの記憶は、消えずに下に残っている
  1. 最初の数日連投で、怖さの記憶ができる
  2. 時間がたつ「もう大丈夫」が上に重なる
  3. あなたから通知丁寧な一通でも同じ
  4. 最初の記憶が戻る一通は悪い印象の上で読まれる
ママのひとこと 結城君、うちの店に来る女の子たちはね、半年たっても、別れた日の深夜にスマホが鳴り続けたことは覚えてるって言うのよ。何が書いてあったかは忘れても、怖かったことだけは残るんだって。

初動の数日で、相手のいる側が決まる

私の経験では、相手を「まだ好きな側」から「生理的に無理な側」へ押しやるのは、たいてい別れて最初の数日です。連絡の数、深夜に送ること、相手の生活圏に近づくこと。この時期にしてはいけない具体的なことは、別れた直後の72時間の記事にまとめています。

だから、初動の数日は、何かをして取り戻す時間ではありません。悪い記憶をつくらない時間です。

すでに送ってしまった人へ

朝日の当たるベランダの鉢植えに、小さな新芽が出ている

もう何通も送ってしまった人もいるでしょう。それでも道筋はあります。消えない記憶の上に、新しい記憶を重ねることはできるからです。「あれから一度も来ていない」という時間が、相手の中で新しい記憶になります。その時間が積み重なったとき、次の一歩に進めます。

送ってしまったあとに重ねる、新しい記憶
  1. 最初の数日何通も送り、悪い印象ができた
  2. 今日から連絡を一通も足さない
  3. 送らない日が続く「あれから一度も来ていない」が新しい記憶になる
  4. 積み重なったとき次の一歩に進める

この記事でやること

今日から、相手への連絡を一通も足さないでください。そのために、相手とのトーク画面を、ホーム画面から見えない場所へ移します。今日あなたが送らなかった一通は、相手の中で「もう来ない人」という新しい記憶の一部になります。

すでに送ってしまった状況からの次の一歩は、相談窓口で一緒に決めます。

出典