別れた直後の長文の謝罪LINEが、復縁を遠ざける理由
別れたあとに長い謝罪を送りたくなったとき、なぜ送らないほうがいいのか、代わりに何をするかが分かります。
別れを告げられたあと、スマホを握ったまま長い謝罪を書く人がいます。あのときの言い方が悪かった、連絡が雑だった、これからは直す。画面を何度もスクロールしないと読み終わらない文章です。
先に結論を言います。その長文は、送らないでください。謝りたい気持ちが本物でも、別れた直後の長い謝罪は、相手を「まだ好きな側」から遠ざける一通になりやすいんですよ。

長い謝罪は、相手への宿題になる
あなたにとって、長い謝罪は誠意の量です。でも、受け取った相手の側では、別のことが起きます。
長文が届くと、相手はまず、読むかどうかを決めなければなりません。読めば、別れを決めるまでに考えたことを、もう一度最初からなぞることになります。そして、読んだ以上は何か返さなければと感じます。「許す」と書けば、別れの結論が揺らいだように見える。「許さない」と書けば、自分が冷たい人になる。どちらを選んでも、相手には負担が残ります。
謝罪の文面は、書いたあなたの気持ちを軽くします。その軽くなった分の重さを、相手に渡しているわけです。
- 長文を送る書いた側の気持ちは軽くなる
- 読むかを決める読めば、別れまでの考えをなぞり直す
- 返事を迫られる何か返さなければと感じる
- どちらでも負担許せば結論が揺らぎ、許さなければ冷たい人になる
謝るのが早いと、気持ちは届きにくい
謝罪のタイミングについては、心理学者のシンシア・フランツらの研究があります(2005年)。最初の調査では、大学生24人に、実際にあった揉めごとを振り返ってもらいました。次の調査では、83人に、話し合いの最初に謝罪がある場面、最後に謝罪がある場面、謝罪がない場面のどれかを読んでもらい、どう感じるかを答えてもらいました。
どちらの調査でも、謝罪は早いより遅いほうが、揉めごとの決着への満足が高くなりました。研究チームは、相手が自分の言い分を話し、分かってもらえたと感じたあとの謝罪のほうが届く、と説明しています。
別れた直後の長文は、この逆です。相手はまだ何も話していません。分かってもらえたとも感じていません。そこへ、あなたの側の反省だけが一方的に届きます。相手から見れば、謝罪というより、自分の言い分を先に全部置いていった文章に見えるんです。
- 相手はまだ何も話していない
- 分かってもらえたと感じていない
- 反省だけが一方的に届く
- 相手が言い分を話したあと
- 分かってもらえたと感じたあと
- 話を聞ける状態になってから
長い文章ほど、別れ際の嫌な場面を呼び戻す
私の経験では、別れた直後の相手は、「まだ好きな側」と「生理的に無理な側」の間で揺れています。この時期なら、こちらが静かにしていれば、あなたの気持ちは気持ちとして届く余地が残ります。
長い謝罪は、その揺れを悪いほうへ押します。反省の文章は、どうしても別れ際の場面を細かく書くことになります。相手は読みながら、あのときの嫌な気持ちを思い出す。長いほど、思い出す場面が増えます。
嫌な気持ちと結びついた記憶は、残りやすいものです。トロント大学のチャップマンら(2013年)は、嫌悪を感じる写真、恐怖を感じる写真、どちらでもない写真を見せて、あとでどれだけ覚えているかを調べました。嫌悪を感じる写真は、恐怖の写真よりも、どちらでもない写真よりも、よく思い出されました。写真を使った実験なので、そのまま恋愛に当てはめることはできません。ただ、相談でよく見るのも同じ流れです。「あの長文がしんどかった」という感覚は、別れの理由そのものより、あとまで残ります。
ママのひとこと 結城君、それはね、うちの店に来る女の子たちは、長い謝罪が来ると「最後まで読まなきゃいけないのがつらい」って言うのよ。全員じゃないけど、謝る中身より、その長さが重いんだって。
謝りたい気持ちは、送らずに取っておく
謝る気持ちを捨ててほしいわけではありません。謝罪は、復縁の道筋の中で大事な一手になります。ただ、それを出すのは今ではありません。相手がもう一度あなたの話を聞ける状態になってから、短く、一度だけ伝えます。時間がたってから連絡するときの書き方は、久しぶりに連絡する書き方にまとめています。
もう送ってしまった人は、返事がなくても、補足や追伸を送らないでください。長文に長文を重ねると、相手の中で「重い人」という見え方が固まります。一通で止めれば、まだ取り戻せます。
この記事でやること
書きかけの謝罪文があるなら、今日、送信画面から消して、スマホのメモに移してください。そのうえで、本当に謝りたいことを一つだけ選び、一文に書き直します。その一文は、まだ送りません。謝りたいことが一文にまとまった時点で、あなたは相手の負担を減らす側に一歩進んでいます。
あなたの状況で、いつ、どう謝るかは、相談窓口で一緒に決めます。
料金とお申し込みの流れはこちら。
出典
- Frantz, C. M., & Bennigson, C.(2005)「Better late than early: The influence of timing on apology effectiveness」Journal of Experimental Social Psychology, 41(2), 201-207 https://doi.org/10.1016/j.jesp.2004.07.007
- Florida Tech News「Apologies & Timing」(上の研究の紹介) https://news.fit.edu/blog/copla/scienceminute/349-apologies-timing/
- Chapman, H. A., Johannes, K., Poppenk, J. L., Moscovitch, M., & Anderson, A. K.(2013)「Evidence for the differential salience of disgust and fear in episodic memory」Journal of Experimental Psychology: General, 142(4), 1100-1112 https://doi.org/10.1037/a0030503